まぁ、色々やからなー人って。

会社員ではない、正社員活動を殆どしていない、アルバイターの私の三十路の体の娘を、ふと思い出したのであろうー両親が、知り合いの病院にて、健康診断を受けないか?と、誘ってきてくれた。


谷町線で南へ、下り『出戸』という駅で、両親と落ち合った。
1年半振りに会う父は、少し白髪が増えてはいたが、相変わらず、梅宮哲雄、石原裕次郎的な、ブランデーの香りのする、世代の暑苦しい顔の男である。
この父は、父死去後、再婚の父となり、いわゆる育手の父になるのですが、頑固で下らない事を口にすると、殴らんばかりの勢いで対応してくるタイプの父親だった為、子供時代の私は理不尽な思いで、おののいていたものである。
父は、不言実行タイプの人間であるような気がする。
『気がする』という断定出来ない、ものいいは、親子とはいえ、一緒に過ごしている時間がいう程、長くなかったともいえるし、親と子としての立場でしか、関係してない訳で、案外、人間性というか、細かい性格などはわからないものである、といった所。
私の知っている、父は、ここぞという時の真剣な顔か、眠っている顔が、大体を占める。常に、真面目というか、真剣な時が多いのである、


だから、私の揚げ足を取る的な、ジョークは、父には問答無用なのであつた。よく、私が決まったーっ!と思った小話をしても、常無視しておられました。途方もないベタなだじゃれを言った時だけ、、『おおっ!』と反応されて、『難しいなぁ〜』 とよく思ったづら。


な訳で、、今でも会う時は、やはりそれなりの緊張感はあるのだけれども、緊張感が歳月と共にゆるゆるに変化している事を感じた健康診断での一コマを喋ります。


私は、季節の変化や、温度の変化・ストレスなんかが影響して、心臓の鼓動が一時的に早くなる、狭心症の気が少しあり、以前から、その辺は注意していたのですが、その話になった時に、ウチの両親が、病室に現れ<その医者と両親は、友達なのです。>私の性格に付いて、話し出したのです。

医者『娘さん、繊細なタイプですかね?』
母『いやいや、雑なタイプですよー』
私『どっちかというと、ストレスは、長続きしないですけどねー』
父『そんな事ないやろ、お前は、実は気使いの繊細なタイプやで』
母『そやな、うじうじしたトコ、あるもんなー先生、この子弱いタイプですわ〜』
私『いやいや、そんな繊細じゃないですーー』
父『自分の事は、自分ではわからんもんや』
医者『そうそう、こういうのは、長い時間、あなたを見てきた母親が一番わかってるんやよ!ねぇお母さん。』
母『まぁ、色々やからなー人って。そんなん、言われるとわからんくなってきたわ』
父『そやな、まぁまあーええか。ほな、検査しといて下さい』
二人、病室から退場。


自分の事を、親が軽く分析して、喋るのも久しぶり、オチが『あーやっぱ、わからんわ、面倒なってきた』も、友達間ではよくある筋の話展開ではあるが、両親が円になって話してる最後にホッポリ出すのが、親しみがあって、良かったです。ハイ。
結果、健康優良でしたし、平凡な日常の一コマながらも、親子であり、他人であり、繋がりがある、、を当たり前に感じた一時でした。