OHP22! という 嫁

私の目の前の社会、現実がありまして、私の頭の中がありまして、小さな事件がありまして、心の揺れ動きがありまして、他人があります。
社会と言う友達がいて、他があり、人があり、景色がある。


混乱する頭の『私』が、見る世界があり、見損ねてしまう失敗や、縁のないすれ違いがある。
ともすれば、袋小路におちいって、見える世界がどんどん、狭くなる。
そうすると、心も狭くなり、視力も傾いてしまう。
傾きは、自らが作り出した、バランスと思い込みの成分によって、作られる。


昨夜,日本の医療制度、現状をピンポイントに捉えた、ドキュメンタリ−番組を途中から、たまたま見た。
増田進と言う75歳のお医者さんは、地方で、保険制度とは、異なった制度・料金を貰って、針を中心にした医療を独立して、開業しておられるようで、その仕事はひとつの理想的なやりかたを実践し、形にしていた。
その増田さんの仕事について、ここで、説明するには、私が、『理解』出来ってないので、割愛します。私は、興味をもったので、個人的に知りたいと思いました。


その先生の言葉は、とても、目から鱗が落ちた。
医者と患者という立場は、対等であり、患者も医者を『こいつは、大丈夫なんか?』と疑心暗鬼から、始めて、使い捨てのトイレットペーパーの様に、信じる心を忘れ過ぎてはいけないという話。
病院の前の桜を大事にしている事。今年、咲く桜を見るのが最後の人も居るという事。そういう事の連続が、この瞬間という事。


私は、個人的にここ数カ月〜情緒がやたら、焦ったり、とりつくろったり、卑しくなっていた。自分のやっている事、おかれている状況、人、人をみつめ、自分を見つめる『目』が狭く、臆病になっていた。


そんな折り、大袈裟だけど、何か治療的なものにすがってみたい気にも、やたらなった。何とも、局部的な、自意識過剰の袋小路です。
そして、ほんとに、そんな大袈裟でなかったりもするのだから、余計に、何か!タチが悪い。


そんな時、ふと友人が、口にした『今は、精神神的な事に、たよらず、分厚いデザイン書でも、買った方がいいんちゃう?』
こんな簡単な軽い言葉が、微妙に私には、響いて〜?
治療代に!?と思っていたお金は、CDになり、本になり、OHPという映写機に形を変えました。
あー、ほんまに、お金が物に変わった。<当たり前やけどねー>
物と私の遭遇や!と、私は、感じやすく思いました。
買ったCDは、過剰に癒し、出来過ぎてて、最高に、私には、フィットしなかった。
買った雑誌は、中味をろくにみず、<表紙の可愛い!菅野ミホに、引っ張られた>見開きのページは、、高級フォーマルきぽい服を着て、モンブランを、ナイフとフォークで食べている写真で、骨砕けそうに、さっぱりわたしには、これまたフィットしなーい!そんな内容の雑誌だった。
ただ、その雑誌で、西川美和さんという映画監督が、出した本のレビュウが載っていて、ソコが少し引っ掛かったので、ヨシとした。
そして、その流れで買った『名作はいつもアイマイ』という本を、今読んでる途中です。


一篇目の『色川武大』という作家『たすけておくれ』という文章が、どこか、のんびりおおらかで、読んで良かったなと思いました。
そのひっかかりみたいなことについて、感じている最中です。
昨夜の増井進さんに感じた、あったかいひだまりと、自分自身については、自分で責任を持つという覚悟を感じました。自分のゴールは、自分で、作るという意志と、ざっくばらんなおおらかなあたたかさ。


色川武大という作家が、胆石を患って、切開手術を受ける。そこで、大雑把に話すと、医療ミス的な事が起こる。けれども、作家は、赦すという様な、、、心色の話です。興味がある人は、是非!立ち読みを、、。


生きて行く中で、大きなこと/小さなこと〜ミスをしないという確証など、どこにもない。けれども、その時その時、正しいか、正しくないかという判断は、連続して、転がっていく。
けれども、そのひとつの判断が何処迄、絶対的かなどはわからなかったりする。
だから、人は、悩むし、苦しむし、赦したり、赦せなかったり、復活もできる。
竹を割る瞬間は、スポットライトかもしれないけど、殆どの時間が、竹とどー向き合うか、暗中模索のときだ。


『時がきた』というまでの時間、目の前の自分の世界や現実や状況を、逆さに見たり、反転させたり、くるくる怒濤で、踊り狂うのだ。静まりまくるのだ。


何が、いいたいかー!というと、私は、OHPという道具、おもちゃを買って、新しい景色と気分を手に入れた。大袈裟な気分も、単純に楽しくて仕方ない気分も、一切合切、静かに押し寄せて来ている。
あー、ほんとにこれは『恋』であります。
O!オー!!!OHP! だから、嫁になった私は、『OHP22!』


私の社会は、私の社会から、始めて行く、そして、出会うべく物や人に会う、新しい気持ちになる、事を始めたくなる。自分が、楽しいから、ほんとうなのである。