傍若無人の針の穴 ⑧

近所の道並み、よく通る家があって、その家は、少し古くて、それなりに磨かれている風合いで、『それなりに』と書いた通り、ピカピカピカピカは・無くて、頑張ってる気合いもなくて、普通の当たり前の手入れが、割と行き届いているといった具合。


私は、その家に出入りする人を見たことがない。ピアノやクラリネットやサックスや笛の練習曲みたいな断片がが、夕飯時みたいな時間や結構朝に、唐突に鳴りだす。そこに、人は、多分居るのだろうけど、その家の住人に遭遇した事が無いから、気になる家なのだけど、実感みたいなものがない。

そして、私はいつも、その家の前を過ぎる時、大体急いでる・とか・慌ててるとか・疲れてる。
朝、仕事場に着かないと行けない時間帯と、家から、行く場所迄かかる距離と時間を逆算して、家を出掛ける。移動手段は、殆ど、自転車だ。時間割だ。

夜、帰宅するときは、よくも悪くも、大体、疲れてるし、夜なので、暗くて、家の全貌は見えない。


ふわっと流れて行く景色の中で、その家は、私の目の中に、何でか残る。
光が当てられてなくても、在る物は在るし、居るのだけど、見えないと、忘れてしまう。見落としてしまう。


今朝は、近所のご飯屋でのバイトへ行きすがら、少し、余裕を持った時間で、家を出た。今朝は、光が眩しかったですよね。
私がその家の前を通りかかる時、その家周りの緑や花に、水をざっぱり、与えた直後だったらしく、その家の入り口は、水が一杯・おりました。
葉っぱから、水が滴り落ちてました。葉っぱが水に濡れて、大欠伸してるみたいな、そこに光が降り注ぎついでに〜溜まってるみたいな、伸び伸びした不思議なおおらかさ、『雨上がりの水たまり』よろしく、『光たまり』の景色やった。


それ目が、見たら、うわっっ!て、私の細胞は、ざわざわって、ざわめいて、何か!『おお、わらわの故郷!』てな、気持ちに鳴ったよ。オー ♫ワラ〜♪ ワーワー♪;りゃりゃりゃ〜
田舎の和歌山の夏の海に、早く帰りたいーって、思た。『ホームシック』というんかな・が、ふさわしい、『何かぁーの気分〜!』でした。気秒一瞬でした。


ぼやっとしてたら、バイト、ギリギリ滑り込み。
何を急いでるのか、約束は守らないといけないけど、もっと、賢く、時間を割っていかんと駄目やけど、傍若無人な紙飛行機をたまに、飛ばしてみたくなるのです。傍若無人の針の穴を覗いて、どこかへ、飛んで行きたくなるのです・よ・ね。


雨上がりで、天気で、虹が出てる景色が、私大好きなのですが、その絵の一番手前に、何か、絵を書き込む/写真をコラージュではめ込むと!したら、今朝のあの家の玄関、光が一杯たまっている家を書き込みたいな。
こんな風景のような、暖かい曲を創りたい!てか、つくろ!222222222222222222222222222!!!!2222222222!